先日、デンマーク大使館後援イベント
“Building Bridges to the Better – デンマークに見る「越境力」”
に参加してきました。
幸福度ランキングで常に上位にランクインするデンマーク。
私はまだ行ったことはないのですが、
去年フラッと遊びに行ったLAでデンマーク人と仲良くなったこともあり、
いつか遊びに行ってみたい国のひとつでした。
日本でも「ヒュッゲ」という言葉が注目されはじめ、本にまでなっています。
ヒュッゲとは
「人と人とのふれあいから生まれる、温かな居心地のよい雰囲気」
なんとなくわかるような、わからないような説明ですよね?
デンマーク人の友人に意味を聞いてみても、
「言葉で説明するのは難しい!」とのこと。
ではデンマーク人の価値観とはどのようなものなのでしょうか?
この日はデンマーク大使館の公使参事官 マーティン ミケルセンさんと、
デンマーク在住のニールセン北村朋子さんがご登壇されました。
今回はイベントで学んだことをシェアしたいと思います。

1) デンマーク人が幸せな理由
2) 労働時間が短く、生産性が高いデンマークの秘密
3) 世の中はでこぼこの組み合わせでできている
4 私たちが考えるべきこと
1) デンマーク人が幸せな理由
デンマーク人が幸せな理由は
「何が自分を幸せたらしめるか」理解しているからです。
デンマーク人は定時きっちりに仕事を終わらせ、帰宅します。
仕事の途中であっても子供のお迎えに行くなど、
家族を大事にし、子供を寝かせつけた後に仕事をすることもあるそう。
マーティンさんの言葉で印象的だったのが以下の2つ
死に際「もっと仕事をすればよかった」と思う人はいない。
幸せは自分の外で探すものではなく、自分のなかにあるもの。
みなさんも「そんなことわかってるよ!」と思うかもしれませんね。
でも大切なのはそれが行動に伴っているか?ということ。
①何が自分を幸せたらしめるか知る
②そのためにどうすればいいか考える
③実現するために行動する
日本人は①の段階で躓いている人が多いような気がします。
みんなそうしているから、ではなく
「自分にとって幸せとは?」を真剣に考えるべきではないでしょうか?
2) 労働時間が短く、生産性が高いデンマークの秘密
日本では残業していると偉い、上司より先には帰りにくい、
などという風潮がまだまだ根強く残っています。
デンマークの労働環境は
・月~木は8時~16時勤務(金曜は8時~13時)
・有給休暇は5~6週間
・主休暇は3週間連続でとらなければならない
特筆すべきは週の労働時間の推移です。
1900年では60.40時間
1990年では37時間まで減少しています。
一方日本は2019年の今でも60時間超え。
デンマークと比べて、100年以上も遅れていることになります。
では長時間働いている日本の生産性は世界トップレベルなのでしょうか?
なんとデンマークの労働生産性は日本の1.5倍といわれています。
(参考 : https://ecodb.net/ranking/imf_ngdpdpc.html)
仕事は決まった時間内に集中して済ませ、
休むときは長期間仕事から離れてリフレッシュする。
この生き方が生産性と無縁といえるでしょうか?
3) 世の中はでこぼこの組み合わせでできている
この日私が最も感動したことの一つに、
デンマークでの学習のスタンスがあります。
デンマークで子育てをされているニールセンさん曰く、
デンマークは同じクラスで各生徒が全く異なるプログラムで学ぶことがあるそう。
それは
「全員同じレベルを目指していないから。」
苦手なことは、得意な生徒が生徒に教える。
生徒同士で助け合い、先生はファシリテーターという立ち位置だそうです。
日本ではみんな同じレベル、考えを求められる傾向があります。
しかしデンマークでは
「世の中はでこぼこの組み合わせでできている。
自分が得意なことで誰かを助ける。それでいい」
という考え方だそう。

これはデンマークという小国の世界でのスタンスも表しているように思えます。
デンマークは北欧にある小国。
とびぬけて強い技術や資源があるわけでもない。
だからこそ「我々はどうあるべきか」を国民全員が考え、
それを施策として実行していくのです。
それは小国としての危機感でもあり、
彼らのプライドともいえるかもしれません。
4) 私たちが考えるべきこと
私たちは日本人として、そして個として何を考えるべきでしょうか?
終身雇用制度も崩壊し、頼れるものなど自分以外にありません。
・何が自分の幸せか?
・自分の強み、伸ばしたいことは何なのか?
・自分は世界でどんな存在になりたいのか?
改めて考えなければならないと思いました。
働き方、働き方改革、という言葉が聞かれるようになった一方、
では実際に何かを変えようと行動している人はどのくらいいるでしょうか?
自分の価値観と徹底的に向き合い、行動に移し、
結果を出している国から学ぶことは想像以上に多いと思います。
このようなリアルな実情や価値観を知り、
誰かと意見を交わせる場がもっと必要だと感じました。